睡眠

【HighNetWorth Health Column Vol.2】 睡眠だけのダイエット~痩せやすいカラダへの体質改善~

「睡眠ダイエット」のすすめ
眠らないほど太る、と考えましょう!

1. 睡眠は8時間程度(少なくとも6時間)は確保 ※個人差あり
2. ゴールデンタイム(22:00~2:00)には、遅くとも午前0時には就寝へ
3. 睡眠2~3時間前までの食事やアルコールは控える
4. なるべく日光を浴びて起床し、就寝前と起床後5~10分程度軽く体を動かしたりストレッチを行う

睡眠は、健康維持だけでなくダイエットにも大切な役割があります。

最近、米国にて健康栄養調査参加者による睡眠調査の結果、1日7~9時間程度の適度な睡眠時間をとっている人と比較して、睡眠時間が少なくなるほど肥満率が高まり、4時間以下の人は平均73%も高いことが判明しました。
これは一体なぜでしょうか?

それには睡眠と体内ホルモンの分泌が大きく関与しています。
まず、起きている時間が長いと、エネルギーを補充させようとする食欲増進ホルモンの「グレリン」が増加します。
さらに、食欲を低下させ満腹を感じる「レプチン」が減少します。
夜更かししていると、何か食べたくなってくるのはこれらのホルモンの影響です。

また、夜寝ている間に体内で分泌されるホルモンもあります。
入眠後3時間前後に血中濃度がピークとなる「成長ホルモン」。
もう一つは、明け方から起床後1時間あたりにピークとなる「コルチゾール」です。
これらは体内の脂肪を燃焼してくれる、ありがたいホルモンですが、いくつかの理由で両者の効果は同時に発揮できず拮抗する部分もあります。

このため睡眠時間が短いと、この2つのホルモン分泌のピークが重なってしまい、寝ている間のダイエット効果が発揮されず、痩せにくい体質になってしまいます。
すなわち、これらの効能が上手く発揮できる8時間程度の睡眠が、痩せやすい体質に改善させる上で重要なポイントのひとつだと言えます。

起床後、ベッドでのんびりするのも気持ちいいですが、ホルモンによる脂肪燃焼効果が高いうちに、軽く運動することも相乗効果があるでしょう。
さあ、食事だけでなく睡眠の仕方も見直してダイエットしてみましょう!


林 同文 M.D., Ph.D.

文:林 同文 M.D., Ph.D

東京大学大学院准教授を経て、現在、医療法人聖桐会御茶ノ水聖橋クリニック等で、内科/循環器科を専門に診療。
アマチュアだけでなく、多くの競技のプロスポーツ選手などトップアスリートの主治医やチームドクターとしても活躍中。
医師・医学博士。元JOC医科学強化スタッフ。日本体育協会公認スポーツドクター。