公益財団法人設立で社会的信頼と相続税対策
株主構成から見えてくる企業の運営方針
上の2つの円グラフは、どちらも上場企業の株主構成を示しています。
大きな違いは、例1には2つの公益財団法人が主要な株主として名を連ねている一方で、例2では外資系投資会社が登場してきている点です。
同じ上場企業でも、公益財団法人のメリットを理解しているかどうかで、株主構成が全く違っていることがお分かりいただけると思います。
例2のように外資系投資会社が大株主の場合、将来どんな会社に株を売却されるか分からず、望ましくない企業が大株主になる懸念が残ります。
一方で例1の場合、公益財団法人と自社社員持株会の株を合計すると30%弱の比率になり、安定的な経営が今後も維持されると予測できます。
公益財団法人設立の5つのメリット
公益財団法人設立の主なメリットは、次の5つ。
1. 相続税対策
2. 企業のイメージアップ
3. 名誉(ステータスシンボル)
4. 事業承継の維持
5. 株主安定化
個人所有株式や相続した財産を公益財団法人へ寄付することで、相続税が非課税になります。
もちろん、設立した公益財団法人へ寄付することによって、社会的に意義のある活動に役立てられるため、社会的信頼や企業のイメージアップという意味でも大きなメリットだと言えるでしょう。
欧米の先進国では「財団のオーナー=至上のステータスシンボル」という図式が常識となっているため、グローバルビジネスという観点からも価値があります。
ハードルは低くはないが優遇税制メリットは大きい
もちろん、一般財団法人に比べて設立のハードルは高くなります。
一般的には、初めに一般財団法人を設立して公益性を構築、その後公益認定申請をし、審査をパスすることで公益財団法人の称号が与えられるという流れになります。
しかし、相続税が非課税になる以外にも、オーナーなど個人の寄付の場合、年間所得の40%まで損金扱いで財団に寄付できたり、配当などの財産運用益も非課税になるなどの優遇税制が受けられるメリットは大きいといえます。
非上場会社でも活用可能!
基本的には上場会社の株式の寄付で組成される財団が多いですが、非上場会社でも設立はもちろん可能です。
ただし、10年物の国債と同等の配当要件があるなど、多少のハードルは覚悟しなければなりません。
株式の他、特許や著作権、債権など「配当やライセンス収入などの継続的収入を生み出す可能性のあるもの」での寄付も可能です。
例えば、ZOZOTOWNを運営する会社のオーナーも2013年に公益財団法人を設立しています。
未来永劫より社会的な活動にコミットするという考え方と相続の考え方は、ある意味非常にマッチング性の高い話で、今後は公正証書遺言などを残して財団設立、寄付に向かう個人資産が多くなってくると思われます。
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