都市

都市を売り出す、都市開発のためのシティマーケティングシフト連載スタート!

19世紀は帝国、20世紀は国家だった。21世紀は都市の時代だ。

現在世界の人々の半分は都市に住んでおり、2030年には世界人口の60%が都市人口になると予測されている。
またグローバル化によって人やお金、情報の国境を越えた交流が進み、そのことが国家の壁を越えた競争の時代になっているわけだ。

産業や文化の拠点たる都市においても観光、企業誘致・投資、オリンピック開催など、いろいろな面で国外の他の都市との競争に勝ち残る必要があるのだ。

たとえばシンガポールは国家であり、同時に都市でもある。
それゆえ、マレーシアより分離独立した1960年代より、独自の事業戦略を推し進めた結果、現在アジアのハブ都市としての地位、日本より高い1人当たりGDPを享受している。

これからの都市の成長のためにはいかに世界からヒト・モノ・カネを呼び寄せるかが重要だ。
そのために必要なのは、各々の都市がシティマーケティングを有効な武器にしていくことであろう。

一つは新たなランドマークの開発や古い産業跡地を新たな文化的フラッグシップとして生まれ変わらせること。
また大学、高等教育機関を中心にしたビジネス創出、港湾開発によるビジネス環境整備も有効だろう。
さらには今治タオル、イタリア・コモのシルク産業といった伝統産業、地場産業を高付加価値化、リブランディング化など、都市活性化には様々な手法がある。

本連載では、アジアを中心とした各都市のシティマーケティングの紹介、また都市を売り出すため、都市開発のためのサポート産業を紹介することにより、読者のビジネスチャンスのヒントを与えたい。


小林 司

文:小林 司 氏

1970年 埼玉県生まれ。
株式会社電通、楽天株式会社を経て、現在一般社団法人埼玉都市政策研究所代表理事。
楽天時代はインターネットマーケティング分野の執行役員や楽天イーグルスの立ち上げを担当。
現在はインターネット地域オピニオンメディア「クオリティ埼玉」主筆を務めるとともに、都市戦略、地域活性化のシンクタンクを主宰。