医療

ノーベル賞受賞の「樹状細胞」を活用したがん治療

がん治療もPreventive Preemptive Strike(先制的防御)の時代へ

2011年のノーベル賞生理学医学賞を受賞したラルフ・スタインマン博士の研究「樹状細胞の役割の解明」は、2012年の同賞を受賞した山中伸弥氏のiPS細胞同様、世界の先制医療や再生医療に大きな進展をもたらしたことはご存じのとおりだと思います。

樹状細胞

上図の通り、樹状細胞はがんを取り込み、その特徴を体の中のリンパ球という免疫細胞に教えることで、そのリンパ球にがんだけを狙って攻撃させます。(資料提供:テラ株式会社)

 

先制医療と言うと難しく響くかもしれませんが、要は予防することです。
毎日歯を磨くことと概念的にはさほど変わりません。
その先制医療が一気に脚光を浴び始めるきっかけとなたのが、ハリウッド女優アンジェリーナ・ジョリーさんの両乳房切除の報道です。
乳がんのリスクを高める遺伝子変異が見つかった、その予防措置として両乳房を切除する手術を受けました。
まさしく先制医療の一例と言えるでしょう。

当社にも月に数件はいわゆる「がん治療」に関する一般的な問い合わせがあります。
もちろん医療機関ではないので専門的なアドバイスなどはできません。
しかしながら、樹状細胞の役割を活用した「先制医療」の考え方は今後数年で大きく認知されていくものと考えています。

例が適切でないかもしれませんが、イスラエルは過去戦争を開始した際に「Preventive Preemp-tive Strike」(先制的防御攻撃)という言葉をよく使っていました。
がん治療においてもどうやら予防に勝る防御はないと考え始めるのが合理的な時代に突入したようです。