MICE EXPO(Singapore)&MICE MART(Tokyo)潜入取材体験記
まだまだ発展途上のMICE in Asia
出展社、バイヤーの数ともに残念ながらまだまだ少ない印象を強く受けた今回の両イベント。
アジアではまだまだハイエンド団体旅行まではリソースが追いついていないということかもしれません。
シンガポールは国家レベルだとマリーナベイサンズやリゾートワールドセントーサなどのMICEインダストリーの大成功事例を有していますが、民間レベルではまだまだ時代遅れ感が強い印象が拭えません。
一方、日本においてもそれは同様です。
昨年マドリッドのビジネスパートナーからこんな相談を受けたことがあります。
「スペイン医師会の学会を北海道でやろうという話になっているんだが、1,500名の医師の宿泊手配等、北海道におけるディスティネーションマネジメントが実施できるか?」
この規模になると、まだまだ心もとないというのが正直なところです。
しかもスペイン語の話せる通訳を100人単位で集めなくてはなりません。
宿泊先でのトラブルも容易に想像できたので、話としては断念せざるを得ませんでした。
残念ながら日本においてもMICEインダストリーのコンテンツが整理されていないことは明白です。
世界のMICEインダストリーはまだまだ民間レベルではこういう状態なのです。
けれども逆に言えば、アジアのMICEインダストリーは伸び代が大きいとも言えます。
この産業の少し難しいところは、団体旅行でありかつハイエンド需要が高いことです。
俗にFITと言われる個人向けのカスタマイズ旅行商品の経験と団体旅行の経験の2つの能力が求められるわけです。
この産業に関して言えば、ある程度の社会インフラと人材インフラが必要という前提はありますが、どんな小国やスモールビジネスでも一気にグローバルスタンダードを作り出せる可能性を秘めています。
未知なる、大いなる可能性を秘めた産業であることは間違いないでしょう。