MICEの視点:先駆者にみるオープニングセレモニー
広告業と旅行業の融合にヒントあり
世界中で開業が予定されている統合型リゾートや巨大な複合施設。
その目的はズバリ集客に他なりません。
もちろん集客も世界中から、というコンセプトはもはや当然の世の中になってきました。
シンガポールのオーチャード通りのど真ん中に2009年に開業した大型ショッピングモールION Orchard。
そのオープニングでは「We Are One」と題された寄付型イベントや、アジアを代表する歌手ワン・リー・ホンのスペシャルパフォーマンス、マークジェイコブスのストリートファッションショーなどが町のど真ん中で実施され話題になりました。
一方のマリーナベイサンズ。
2010年のオープニングはさらにド派手でした。
ダイアナ・ロスのプライベートコンサートもさることながら、衆目の度胆を抜いたのが「スカイパークワールドクライムチャンピオンシップ」。
なんと、あの3つのホテルタワーを駆け上るレースが実施されたのです。
ロンドンオリンピックの際のスパイスガールズやポール・マッカートニーのコンサート、ソフトバンクのマリーナベイサンズ屋上を使ったCMなどもしかりだが、このようなイベントの背後にはほとんどの場合広告代理店がいます。
しかしながら広告代理店は世界中から顧客を呼べません。
それは旅行業となるからです。
逆に旅行業界には前述のようなイベントプロデュースには限界があるでしょう。
どうやらMICEの持続的成長、継続的発展には、広告業と旅行業のミックスが必要なようです。
ハイエンドトラベルになればなるほどその傾向が強くなっていくと予想しています。